結城の暮らし INTERVIEW 結城での多様な暮らし方を実践する方々に、結城の暮らしについてあれこれ伺います。

4つのキャリアを活かしてまちのコミュニティをじんわりと温める|東京都内IT企業勤務・赤荻雅人さん

東京都内のIT企業に勤める赤荻雅人さんの選択は、結城市に住みながら都内へ通うこと。この選択は、市内での赤荻さんの活動とこれからの活躍につながっています。

東京づとめ。でも結城のまちは住みやすさ抜群

「人事総務を主に担当しながら、管理部門と他の部門との橋渡し役も行っています。言わば、“管理部門のなんでも屋さん”です」

赤荻雅人さんは、都内のIT企業に勤務しています。「スーパーバイザー」という肩書で、株主総会の事務局を担当することもあるそうです。つまり、それぞれの部門が単独では進められない仕事を、スムーズに進めるために重要な役割なのです。

赤荻さんが今、住んでいるのは結城市。東京都内への通勤を前提にした選択だったそうですが、なぜ?

「一番大きな理由は、子育てをしながら都内に住むイメージを持てなかったことですね。都内よりも家賃は安くて、衣食住に不便はありません。何より子どもたちを裸足で遊ばせられる環境で育てたいという強い思いがありました。結城のまちは住みやすく、選択肢として間違いなかったと感じています」

勉強と運動、遊び。この3つが、赤荻さんの子育ての大切な要素。結城市出身の奥さまと、お互いの両親の今後も踏まえて話し合った結果、奥さまの実家に住むことにしたのだそう。

赤荻さんのお子さん二人は、現在7歳と10歳。「あの遊具で遊びたい!」「今日は大きいところで走りたい!」と自宅近くにある4つの公園から、その時の子供たちの気分に合わせて選んでいます。体を思い切り動かして遊べる環境が結城には、あるのです。

子どもとの距離がテレワークでますます近く

子育てのためとはいえ、赤荻さんの通勤時間は片道、約1時間20分。一日のうち3時間ほど電車に乗っている計算になりますが、苦痛ではなかったのでしょうか。

「家を朝6時に出れば、会社には7時20分に着きます。大変だねとは言われますが、実はそうでもありません。早起きの習慣が身につきますし、通勤の間は自分のために時間を使えるので、仕事をしたり本を読んだり、息抜きにも使えます」

そんななか、2020年4月にコロナ禍の影響で緊急事態宣言が発出され、日本社会全体の勤務形態に大きな変化が起きました。赤荻さんの会社も例外ではありません。社内では3、4年後の実現を視野に入れていたテレワーク化が、宣言をきっかけに急激に進められ、通勤がほとんどなくなりました。

以降、在宅を前提とした仕事の進め方を検討し、新入社員の教育を赤荻さん自らオンラインで実施。春先から夏にかけては、朝7時から夜9時まで仕事をすることも度々あったといいます。

「当初は大変でした。でも研修が落ち着いて、在宅勤務をコントロールできるようになった今、通勤時間はまるっとなくなって、子どもたちにとって“家にいるお父さん”があたり前になりました。今では、オフィスへの出勤が必要になって『明日東京に仕事行ってくるね』と伝えると『えー!』と抗議されます笑」

コロナ以前よりも子どもとの距離がより一層近くなったという赤荻さん。テレワークがあたり前の社会になれば通勤時間が関係なくなり、結城に住むという選択肢もあたり前になるかもしれません。

4つのキャリアを結城市内で活かす

赤荻さんには、「会社員」と「父親」の顔のほかに、「彫金師」と「キャリアカウンセラー」という2つの顔があります。

彫金師を始めたきっかけは、赤荻さんも運営に加わる「桐箱朝市」。市内の喫茶店「カヂノキ」で毎週土曜日に実施しています。そこで出店している小中学校時代の同級生との雑談から、結城紬に合わせる帯留めを作ることを思いついたそうです。

「叔父もアクセサリーを作っていたことを思い出して、自分も趣味で始めてみようと思いました。現在は、銀座にある工房で、人間国宝に師事しながら彫金の基礎を学んでいます。近い将来、伝統的な彫金技法を継承した作品を作りたいと思っています」

さらにキャリアカウンセラーとしては、赤荻さんが勤める会社で実施している社員向けのキャリア研修をきっかけに資格を取得。個人的にも外部企業と契約を結び、カウンセリングサービスを提供しています。

「大きな変化の真っただ中で、これからの仕事の比率をどう振り分けていこうかなと考えているところです。近い将来、地元結城で出来る仕事を増やしていくことを見据えて、種まきをしているところです」

赤荻さんは、まちなかのコミュニティの醸成や、顔の見える横のつながりなども作っていきたいという思いも語ってくれました。

「派手さはありませんが、イベントや日常で顔を合わせていくなかで、人と人が“じんわり”と繋がっていくのがいいと思っています」

赤荻さんは、始終笑顔でインタビューに応じてくれました。4つのキャリアが活かされることで、この温かさもじんわりと周囲に伝播して、結城がさらに住心地のよいまちになっていくのかもしれません。

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