イベントレポート REPORT yuinowaでのイベントの様子や、気になるスポットのご紹介など。

yuinowaスタッフのイベント登壇レポート:ローカルで実現するビジネス拡大 ~地元キーマンがつなげる東京×茨城での新しい仕事・働き方~

オープンコラボレーションスペース「lodge」にて、「ローカルで実現するビジネス拡大 ~地元キーマンがつなげる東京×茨城での新しい仕事・働き方~」が行われました。

結城市からは、結城商工会議所の職員で、結いプロジェクトやCoworking&Cafe yuinowaの運営を行う野口が登壇。このイベントの中では、5人のキーマンが登壇しさまざまな事例が紹介されましたが、本記事ではyuinowaや結城市の事例を中心にお伝えします。

昨今の地方創生や地域活性化といった動きから、「ローカルへビジネスを展開していきたい」「ローカルで自分のキャリアを拡げたい」などのローカルに興味を持つ企業・個人の方が増えてきています。

茨城県では、「ローカル(茨城)でのビジネス創出・拡大に関心のある企業」「現地企業・個人等」とのマッチング・連携をサポート。ローカルでビジネス創出・拡大に挑戦しています。

今回はのイベントでは、茨城でマッチング支援をするプレーヤーや各地のキーマン、実際に茨城県で新しい取り組みにチャレンジした企業・団体を交えて、「茨城での企業活動事例から、ローカルの可能性を紹介」「各地キーマンが、地域課題解決に興味がある企業・個人を募集する逆プレゼン実施」を中心に実施されました。

「茨城県最前線で起こっていることを知ってほしい」「茨城で活躍できる場があることを知ってほしい」「茨木江今後美奈さんに活躍してほしい」「キーマンとぜひつながっていってほしい」そんな思いをもって開催されたイベント。

登壇したのは、茨城を舞台に活躍する5人のキーマンたち。

・イノライブ代表 山森 達也氏
・Tsukuba Place Lab 代表 堀下 恭平氏
・合同会社ヘマタイト代表 茨木 隆彰氏
・結城商工会議所 野口 純一氏
・株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック 市原 侑祐氏

※イベント情報はこちらから
ローカルで実現するビジネス拡大 ~地元キーマンがつなげる東京×茨城での新しい仕事・働き方~

東京と結城の企業による、課題解決事業紹介(合同会社ヘマタイト×結城商工会議所×農事組合法人 宮崎協業)

結城市で行われた取り組みは、合同会社ヘマタイトと結城商工会議所による、農業の現場で起こっている課題を人工知能技術を使った問題解決。

結城商工会議所が、ヘマタイトと繋ぎ合わせたのは、結城市で大規模な農業を行う「農事組合法人宮崎協業」。現場で抱えている「ネギの選別作業がベテランの勘頼りになってしまい、技術継承や効率化が難しい」という課題を、技術の力を使い、解決の道筋を作っていきました。

ネギのサイズをきちんと揃えて選別することは、スーパーや料亭等などサイズの決まった場所に出荷するためにとても重要なことなのだそうです。

解決にあたっては、宮崎協業スタッフが持つ「ネギのサイズや品質を測る感覚値」を、人工知能に覚えさせて、自動判別可能にする仕組みを作成。現在、ネギのサイズ判別はすでに可能で、B級品の判別も可能にしていくのが今後の課題の一つだそうです。

箱詰めなどを行うなどのハードウェアが必要な部分は未実装ですが、技術による課題解決の取り組みは現在でも進められています。

合同会社ヘマタイトは、今後、ネギ以外でもAIの判別や県内での農業の次世代化、この技術の農業以外での応用、なども模索中。宮崎協業さんとは、今後も関係性をたもち様々な技術支援を行っていきたいとのことです。

茨木さん「技術は使われてこそ意味があります。東京に籠っていても、意味ある技術には巡り合えない。茨城での経験は、当社のミッション『人とコンピュータのよい関係をつくる』にも繋がる良い機会でした」

東京・結城の企業連携に関するQ&A

Q:選別の人工知能を作るために、宮崎協業に対してどのようにアプローチしていきましたか?

茨木さん「ネギの選別は技術的には難しくはなく、画像検出のテーマとしては理想的。でも、ネギ選別のワークフローがどんな感じなのかクリアに見えないと、技術を使うところで問題が発生するだろうなと思っていたので、月1回ぐらいのペースで現場に伺わせていただき、現場の流れなどを観察していきました」

Q:進めていく上で苦労したことは?

茨木さん「予算をいただいてはいましたが、スケジュールが厳しかったですね。2018年9月から始まり、12月までに物が仕上がっていないといけない。仕組みの部分は完成しても、デバイス(装置)を仕上げるところまで行けなかったのが不完全燃焼でしたね。システムやデバイスは、作って終わりではなく、実際に運用しながらどれだけ稼働していくか、改良してどれだけ効率よく動いていくかを見定める必要があります。今回作っていたのも、宮崎協業様の専用機なので、この現場で最大限効率化するようしていかなくてはなりません」

Q:企業の受け入れ側として意識したことは?

野口「今回は、まずは事例をしっかり作ることも重要だと思ったので、地元企業の中でも、面識がありコミュニケーションをしっかりとっていける人にお願いしました。商工会議所としては、平等に企業さんに当たっていきたい、というのもありますが、まずは課題が見えやすい企業さんからどんどん話を伺っていきたいです」

Q:企業として、地方に出向き仕事をする上であらたに気づいたことは?

茨木さん「うちの会社は、オフィスありますが出先で仕事をすることも多く、茨城の現場に出向いて仕事をするのも抵抗がなかったです。リモートワークの問題点や難しいところは、顔を合わせる機会が少ないこと。会って直にコミュニケーションとる機会が少ないので、そこをどう解決するかですね。あと、車は持っていたほうがいいですね」

野口「リモートで働くときは、場所だけでなく移動手段の充実も重要。足が無い人に対しては、たとえば我々みたいな地域のつなぎ役がサポートしていくのも役割かなと思います」

茨木さん「茨城の企業さんにスムーズにつないでもらったことも大きかった。片道時間かかるとわかっている状況で営業に行くのは大変。繋いでくださる方がいるのは、現地での効率良い活動のために、必要ですね」

yuinowaのこれからの展開

Cowrking&Cafe yuinowaの今後の展開についても、野口から紹介されました。

野口「Cowrking&Cafe yuinowaは、働く場、学ぶ場、参加の場という三つの方向性のもと運営されています。2017年に運営がスタートし、コミュニティ形成のイベント、IT勉強会、起業セミナー、食を通じた交流会などが行われてきました。現在、「地域の行政や企業が持っている課題を受託し、解決していく」という時期になってきているので、さまざまなクリエイターと共同して課題解決に取り組んでいく動きも計画しているところです。それだけでなく、地域で活躍するクリエイター育成や、そのコミュニティ形成も企画中です」

yuinowaもオープンして約2年半が経過。これから、働く場、学ぶ場、参加の場としての役割を、ますます活発に機能させていこうとしているところです。これからのyuinowaの展開にも、こうご期待。

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