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IT技術を取り入れた、効率的な農業 農事組合法人 宮崎協業様 トライアルワークステイ

和の心を大切に、みんなで幸せを分かち合う農業

今回ご紹介するのは、結城市南部の広大な農耕地帯で農業やそれに関連する事業を行っている、農事組合法人宮崎協業。

メイン事業となる農業では、大型機器やGPS搭載の農機具、ドローン、小型モーターボートなど、機械とITの力を積極的に用いて、自然の力に従いながらも効率的な農作業を行っています。また、農産物を使った加工食品の開発、子どもを対象にした食と農の体験教室、そして、農業の6次産業化を視野に入れた取り組みも実施中。

このトライアルワークステイで募集しているのはもちろん、ともに作業をする農業従事者。宮崎協業は「農事組合法人」という法人格で運営されています。就業後は、農作業はもちろん、6次産業化、商品開発など、これからの時代に合わせた様々な「農業」に携わっていくことになります。

※6次産業化:第一次産業(農業・水産業)の事業者が、第二次産業(食品加工)・第三次産業(流通や販売)にも主体的に関わっていくことで、農業を活性化させようというもの。

農事組合法人とは(農林水産省Webサイト)

企業紹介のお話をいただいたのは、宮崎協業 創設三代目の秋元勇人(あきもと・はやと)さん。以前は住宅メーカーに企業戦士として勤務していましたが、今では宮崎協業の中で、先代から伝えられてきたものを大切にしつつも、次につなげる新たな取り組みを推し進める中心人物。

秋元さんからは、業務内容のほか企業としての組みや地域とのつながり、そして、宮崎協業と一緒に「農業」に関わって暮らすことの魅力を語っていただきました。

企業インタビュー

話し手:秋元勇人さん
農事組合法人宮崎協業 会計

聞き手:佐野匠
Coworking&Cafe yuinowa PR・情報発信担当

インタビュー日:2017年12月20日

※以下、インタビュー書き起こし。

顔の見えるつながりを続けていく

【写真】宮崎協業の農耕地。広大で、端が見えない。

―農業や加工業だけでなく、「あくと祭り」など様々な取り組みをされていますね。

秋元さん:この地域の特徴で、うちは約100ヘクタールを二毛作でやっているので、年間合計で200ヘクタールぐらいを作付けしているんですけれども、それのほとんどが地元の方から借りている農地なんですね。小さい畑や田んぼを持っている人がたくさんいて、そういう人と一緒に力を合わせてやっていく必要があります。

なので、お祭りというよりは、協力していただいた皆様への「恩返し」みたいなものですね。

結局、「その土地だからこの作物を育てられる」っていうのがあるので、ここに住んでみんなと歩んでいく、というスタンスを崩すと、農業出来なくなっちゃうんで。

【写真】畑の一画には、地域奉仕として作った花畑もある。

―あくと祭りが、この地域の中で人と人との潤滑剤になっているんですね。

秋元さん:そう。あくと祭りのときにお互い顔見るじゃないですか。皆でお酒も飲んだりするので。なので、イベントは単なるお祭りじゃなくて、イスとか机いっぱい置いて、そこに一日いてもらえるような感じにしてるんですよ。そして、僕ら宮崎協業のメンバーが一人ずつお話していって、顔を合わせてコミュニケーションをとっています。

幸せを分かち合う、「和」という企業スローガン

秋元さん:うちの創業の時のスローガンというのが「和」っていう字なんですね。みんなで幸せを分け合うんだ、だれか一人が勝つんじゃない、という思想から始まったんです。そういった思いから宮崎協業の前身の組合ができあがったんで、その思想だけは脈々と伝えて、世代が変わっても忘れないようにしよう、というふうにしています。

【写真】美味しいと評判の、宮崎協業の「干し芋」。パートお母さんたちが、慣れた手つきで袋詰めしていく。

―「結い」の精神、相互扶助ですね。

秋元さん:まさに「相互扶助」に近くて、うちも「宮崎」っていう地域のなかでいろんなことをやるんですけど、地域のお祭りや行事では一緒に動きますし、会社の中でちょっと病気で休んじゃったとしてもその分の給料をらしたりしないとか、落ちこぼれを作らないようにするっていう。

自然を受け入れ、ありのままに生きる

―すると、移住定住などを考えている方に対して、「こんな人と一緒に仕事をしたい」という思いはありますか?

秋元さん:ぼくが最近思っていることですが……

結城も、子どもの数がすごく減ってるんですね。僕が小学生ぐらいのとき同級生って1,000人以上いたんですけど、今って400人割ってくるらしいんですよ。その子どもたちが働く年代になると、東京に持って行かれてるんですね。これは由々しき問題だと思います。いま結城市の人口は横這いですけど、これから劇的に減ってくると思うんです。

そういう状況なので、「都会で疲れちゃったけど、地元でもう一回やってみたいな」っていう人を取り返したいという気持ちがあります。

僕はもともと住宅メーカーという激しいところにいたのですが、当時は本当にもう疲れてしまって。都会で「企業戦士」とかいって働いて、30歳ぐらいになると疲れ果ててしまう方も多いんじゃないかと思います。

【写真】家畜の糞を利用して堆肥を作る、循環型農業にも取り組んでいる。

秋元さん:農業は、そういうのとは真逆のところにあります。天候には逆らえませんし、暗くなったら作業できない。そういう自然の流れに逆らわないで生活するっていうことにおいては、企業の中にいた人にとってはすごく安らぎがあるんじゃないかと思います。僕自身もそうですし。

―普通の企業の人は、夜中でも仕事する場合がありますからね。

秋元さん:あとは、企業って意外とあるじゃないですか、「やらなくてもいいんだけど、お客さんの手前やらなきゃいけない」みたいな。でも、農業の場合そんなことする必要ないんですね。作物がよくできるかできないか、だけなんで。

【写真】事務所付近の畑。12月は、麦が芽吹いて茶色の地面にうっすらと色づいている。

―精神面や体力面ではどうですか?

秋元さん:先ほどお話した通り、僕も以前は企業にいたので、そこに比べるとメンタル面はすごい楽ですよ。出来ないものは出来ないですし、それに対して「いや、それでもなんとかしろ」なんて言う人は1人もいませんので。というか、自然相手なので誰も言えない。メンタルは楽っていう言い方は変かもしれないけど、自然体でいられます。

繁忙期で皆が作業しに集まったときに、雨がすごい降ったりしたら「今日はもうだめだな」って感じで、みんなでお酒を飲んじゃったり、バーベキューやったりしています。従業員のいろんな意見とかも、そういうときに色々聞けるじゃないですか。「あそこ、こんなふうにしたほうが良いんじゃない」とか「これ困ってたんだよな」とか。そういうときのほうが言いやすいじゃないですか。

だから、メンタルはとても自然体でいられると思います。僕も昔住宅メーカーにいたころは、テレアポとか飛び込み営業とかものすごく大変でした。激しい企業の中で疲れてしまった人にとっては、すごく安らぐんじゃないかなと思います。

体力面は、やはり体を使うことがありますからね。デスクワークをやってた人にとっては、ちょっとキツときもあるかもしれませんけども。

―続けていけば、少しずつ筋肉も体力も付いてきますしね。

ITの力を積極的に借りる、効率的な農業

秋元さん:うちでも、昔の農業のイメージで「田植えの時期だと大変でしょう」と言われるんですけど、実際のところほとんど機械操作なんです。例えば、田植えなんかは機械にGPS使ってますし。

―GPSで自動的に進んで行く、ということですか?

秋元さん:いま無人運転は許可されていないので、一応人は乗らなきゃいけないんですけど。まっすぐ進んでくれるので、人が乗ったらアクセル踏むだけでいいんです。実はもう、農業はそういう世界になってきているんです。

【写真】トラクターの運転席。ロボットの操縦席を彷彿とさせる。

秋元さん:トラクターとかも、うちのやつはエアサスとかが入っていて運転中にゴトゴトすることもありませんし、運転席の中にはエアコンが入っています。レーザーで高さを測りながら自動的に地面を平らに耕してくれる機械もありますし。あと、農薬を撒くのもドローンだし、小型のモーターボート使うこともあります。手作業で撒く、というのはほぼ無いですね。

だから多分、みんなが思っている農業と全然違うんだと思います。

【写真】GPS制御によって苗が植えられた場所を、ドローンを使用して撮影したもの。

―要所要所で効率化の仕組みが取り入れられているんですね。

秋元さん:農業の効率ということを考えると、何年かに1回、オーストラリアなど海外の農業を見に行っているんですけど、やっぱり日本の農業って高コストなんですね。それは機械もそうですし、細かいところでいえば用水もそうですし。そういうところを見ていくと、日本の農業はまだまだ効率が悪いです。

オーストラリアやアメリカでは、うちが25人ぐらいでやっている規模を、一人で作業してしまうんですね。

―それはやはり、海外のほうが最新の機器やIT技術などを積極的に利用しているからでしょうか?

秋元さん:そうです。

【写真】大型のトラクター。機械の調子が悪いときは、メンテナンスなども自前で行っている。

―ちなみに、トラクターは標準的なものでだいたいお幾らぐらいですか?

秋元さん:うちは畑の規模が大きいものですから、全部海外製なんですね。だいたい2,500万とか3,000万とかですかね。

―個人の農家さんでは厳しいし、企業さんでも買うには大変な額ですね。

秋元さん:さっきのスローガン「和」の話につながるんですけど、先代・先々代が、自分たちがもらうべき報酬のところを設備投資に振ってくれたので今があるんですね。だから僕たちは、今度は農業の6次産業化を進めるための投資を進めて、次の世代がそれを土台にできるようにしていってます。

【写真】巨大な倉庫の中にある、麦の乾燥設備の一部。先代の投資によって受け継がれてきたものの一つ。

―現状に甘えず、次へ次へと繋げていっている、ということですね。

秋元さん:やっぱり、企業って「次」が無いと終わりですからね。今は、事業形態は時代に合わせて変化していくものなんじゃないでしょうか。変わらないのは企業の理念とか根本的な部分で、表向きの部分はやっぱり変化していくんですよね。

子供たちに農業を伝えていく

―宮崎協業さんで行われている子供向けの農業体験も、「次に繋げていく」という思いがあるのでしょうか。

秋元さん:いま子供たちが習っている農業って、ほんとに40年前ぐらいの農業なんですね。よくある手作業の田植え体験というのも、体験自体には意味はあるのですが、実際の農業の現場では行われていなですからね。

「僕、運転が好きなんだ」っていう子がうちに来れば、いろんな機械に、それこそ日本で数台しかないような機械に乗る体験もできますし。子供たちの中にある、教科書で教えられているものと現実のものとの差を詰めてもらって、その中から「農業やってみたいな」と思う子が一人でも二人でも出てきてくれたらいいな、っていうのがあるんですよね。

【写真】麦を一気に刈り取るための大型コンバイン。作業効率化に一役買っている。

―機械に乗ってもらうだけでなく、加工品づくりを体験してもらうなど、幅広く企画しているのでしょうか?

秋元さん:そうですね、体験のほうも、いまやっているのはお米を植えて、刈って、食べる。芋も植えて採って食べる。夏には、水田を使ってレクレーションみたいなものも行います。田んぼの近くに住んでいるザリガニを捕まえて食べたり。さすがに、ザリガニを食べるときは食用に取りかえてますけど。

―貴重な体験だし、子どもは絶対忘れない経験ですよね。逆に、大人が教えてもらう部分もあると思います。

結城で暮らす魅力

【写真】宮崎協業の事務所外観。広大な農耕地の中に位置する。

秋元さん:やっぱり、子供たちには創造性があったらいいなと思います。

―こういった取り組みに参加して、親御さんが生き生きとした子どもを見て、「結城に移住を考えてみようか」という流れもあるかもしれないですしね。

秋元さん:ぼくも、「結城の価値ってなんだろう?」っていろいろ考えるんですけど、一番大事なのは「この街に住んでる人たちがどうありたいか」ということだと分かってきました。「あの街が成功しているから、真似をしてみよう」というのではなくてね。

そうすると、結城の街の価値ってなんなんだろう、と考えたときに、やっぱり「人間らしい生活」っていうことなんじゃないかと思うんですよ。ゆっくり時間が流れる。人に来てもらうというか、興味を持ってもらうということを考えると、実際はそういう生き方や暮らしができるところが、結城の価値の一つなんじゃないかと思います。

うちで一緒にやる人は、優秀じゃないといけない、というのではないんですよ。みんなそれぞれ能力があるし、たまたま今の会社で生きないだけで、たとえばうちの業界だったら生き生きできる人もいるはず。都会の派手な生活が好きな人もいるけど、本当はそうじゃないけど飲み込まれてしまっている、という人もいっぱいいるじゃないですか。だからそういう人に、まずは来てもらえたらいいなと思います。

都会に疲れてしまった人は、ぜひ

会社の取り組み、働き方、結城で暮らす魅力などについて、朗らかに語ってくださった秋元さん。とくに、先代からの投資で受け継がれてきた大きな設備や機械を解説してくださる様子は、とても楽しそうであり、誇らし気でもありました。

体を使うけど体育会系ではなく、機械を使うけど神経質過ぎない。効率化を考えつつ、無理をしない働き方を大切にしていく。そして、自然を受け入れありのままに生きる。

そんな、宮崎協業の農業。

秋元さんがおっしゃるように、都会に疲れてしまった人はもちろん、自然とともに「和」の心を大切に暮らしていきたい方は、ぜひ農事組合法人 宮崎協業の秋元勇人さんへお声かけください。(了)

(文章・構成・写真・インタビュー:佐野匠)

この企業で募集している職種

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